アマオケ鑑賞記

ここ3~4年、家族の影響でオーケストラのコンサートに行く機会が増えました。 

アマチュアの演奏会も時々聴きに行きます。 曲はクラシック主体ですが、映画音楽や新しい楽曲が演奏されることもあります。 畑農敏哉氏の著書「アマチュアオーケストラに乾杯!素顔の休日音楽家たち」によると、国内のアマチュアオーケストラの数は、部活やジュニアオケ・学生オケを除いて2014年12月31日現在で、1,080団体もあるそうです。 現時点では少し増えているかもしれません。 演奏会の入場料は無料か千円以内が大半で、比較的有名な曲の演奏が多く、ドレスコードも気にせず、生の音楽を気軽に楽しめるのが魅力です。 アマチュア演奏家は、演奏を生業にしていないというだけで、かなりの腕前の奏者もたくさんいるのではないかと思います。
それでは、最近良かったアマチュアオーケストラの演奏会を2つご紹介します。

先ずは、吹奏楽団やまぶき。

#1

(画像は吹奏楽団やまぶき様ご提供)

2017年11月4日(土)

吹奏楽団やまぶき

YamaBuki Wind Orchestra

きまぐれ演奏会 Vol.1

かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

フィリップ・.スパーク/ジュビリー序曲

ディヴィッド・R・ホルジンガー/春になって王達が戦いに出るにおよんで

ヤン・ヴァンデルロースト/カンタベリーコラール

グスターヴ・ホルスト/吹奏楽のための第一組曲

-休憩-

ロバート・ジェイガー/シンフォニア・ノビリッシマ

保科洋/風紋

ヨハン・デ・メイ/エクストリーム・メイクオーヴァー; チャイコフスキーの主題による変容

#2

(写真は吹奏楽団やまぶき様ご提供)

7曲目の「エクストリーム・メイクオーヴァー」で2組のシンバルが奏でられた瞬間の珠玉の一枚です。 白熱した終盤に指揮者の山下伸介氏のメガネが飛んでいくハプニングもあったほどの大迫力で、周りの観客も一様に圧倒され、アンコールの拍手が鳴り止みませんでした。 重厚さと繊細さを併せ持つ華麗な演奏でした。 
「やまぶき」という名称の由来は、「山下先生と吹く」という意味だそうです。 山下氏と演奏したい人が集結し企画された演奏会とのこと。 そのため、腕利きの奏者ばかりが集まったのかもしれません。

ブログラムからも熱さが伝わってきます。「同団員は学生時代に吹奏楽と出会い、現在は、吹奏楽のほか、オーケストラや室内楽、ブリティッシュブラスなど多彩なジャンルの管打楽器パートで活動中」 「なぜ一回の演奏会につめこんだの?と思われるくらいの吹奏楽界を代表する作曲家たちの名曲を一曲ずつお届け」 「メンバーの思いと、山下先生の熱意が織り成す、熱く・シンフォニックな“山下サウンド”」→納得です。

今回の演奏会に足を運んだのは、音響が良いと言われているモーツァルトホールで一度聴いてみたかったことがきっかけなのですが、この演奏会に巡り合えて良かったです。 ただし、団長の河辺氏によると、「常設の楽団ではないため次回の開催は未定」とのこと。 Vol.2を期待したいです!

吹奏楽団やまぶき 公式サイト
http://yamabuki-wo.tokyo/ 

会場のモーツァルトホールは、かつしかシンフォニーヒルズの中にある大小二つのホールのうちの大ホールで、もう一方の小ホールはアイリスホールという名称です。 京成本線の青砥駅から徒歩6分。オーケストラ演奏を主目的に作られていますが、演劇やクラシック以外のコンサートなどにも幅広く利用されているようです。

続きまして、ノイフィルハーモニー管弦楽団。

#3

(画像はノイフィルハーモニー管弦楽団様ご提供)

2017年10月22日(土)

ノイフィルハーモニー管弦楽団 

NEU Philharmonic Orchestra

第14回定期演奏会

すみだトリフォニーホール 大ホール

G.ヴェルディ/歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲

E.グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調作品16 (ピアニストは宮谷里香さん)

ピアノソロのアンコール: ショパン/ノクターン

-休憩-

P.チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

 

#4

(写真はノイフィルハーモニー管弦楽団様ご提供)

団長の奥野氏よりメッセージをいただきました。

「この度はノイフィルハーモニー管弦楽団の演奏会をご紹介いただき、大変光栄です。

私たちノイフィルは、当初県立千葉高OBを中心として2003年に結成され、メンバーは現在も20代を中心とした若いオーケストラです。来年の定期演奏会では、ショスタコーヴィチ交響曲第5番「革命」に挑戦します。一度ホームページをご覧いただけたら幸いです。」

ノイフィルハーモニー管弦楽団 公式サイト
http://orchestra.musicinfo.co.jp/~neuphil/

団長  奥野 洋平

#5

(写真はノイフィルハーモニー管弦楽団様ご提供)

当日は、台風21号が接近中で悪天候でしたが会場は満席でした。 はじめに、音楽監督で1曲目の指揮も執った椙山由美子氏の力強い挨拶があり、会場は熱気に包まれていました。 2曲目と3曲目の指揮は写真の若宮裕氏です。 

2曲目のグリーク/ピアノ協奏曲で登場したピアニストの宮谷理香さんは第13回ショパン国際ピアノコンクールをはじめ数々の賞を受賞されています。今回一番聴きたかったピアノ協奏曲の代表ともいえるこの曲も、アンコールのノクターンも素晴らしかった!(しかも美人です。) 3曲目のチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」は4楽章で構成されていて、今年に入って演奏会で聴くのは3回目でしたが、その中でも一番良かったです。 第3楽章後に拍手する聴衆もいませんでした。暗く静かに完結する最終第4楽章の前に、最も盛り上がる第3楽章があるため、別の二つの演奏会では第3楽章の音が止んだ時点で拍手がちらほら聞こえたのでした。

ノイフィルハーモニー管弦楽団 公式サイト
http://orchestra.musicinfo.co.jp/~neuphil/

会場のすみだトリフォニーホールは錦糸町駅から徒歩3分。 通勤経路にあることもあり、最も訪問しているホールです。 駅に隣接する商業ビル「アルカキット」の2階にはトリフォニーホールへ続くペデストリアンデッキへの出口がありますので、錦糸町駅の北口駅ビル「テルミナ2」と、アルカキットを経由して行けば、雨の日でもあまり濡れずに済みます。

同ホールの大ホールには、パイプオルガン、クローク、バーコーナーも、併設されています。 バーコーナー「北斎カフェ」は、葛飾北斎が本所割下水付近(現在の墨田区亀沢)で生まれたといわれていて、墨田区に長く住んでいたゆかりの土地であるためのネーミングだそうです。 コーヒー代は400円ですが、サントリーホールや東京オペラシティコンサートホールなどでも同じ価格設定でした。 この絶妙な価格設定は何か取り決めがあるのでしょうかね。

演奏会の情報は、楽団の公式サイト、コンサートホールのホームページ、無料の情報誌「ぶらあぼ」、「コンサートスクェア」などの情報WEBサイトや、演奏会でもらえるプログラムに挟み込まれているチラシなどから収集することができます。 また、演奏会に行って良かった場合は、アンケートに住所を記入しておくと、次回の演奏会の案内状を送ってもらえるので、リピーターになるきっかけになります。

これからのシーズンは、クリスマスコンサートやニューイヤーコンサートなど、華やかな演奏会が目白押しです。 どうぞ暖かくしてお過ごしください。