初代 Intel iMac (Early 2006) の Boot Camp 領域を Windows 7(32bit) にアップグレード

我が家では、2012年の6月にネットジャパン社内では不要となり、贈与をうけた iMac (Early 2006) が今日も元気に稼働しています。この機種ですが、数年前から、電源ユニットの故障(『imac early 2006 電源』@google)や、液晶パネルのバックライトの寿命・表示不良が出はじめているようですが、こちらでは今のところそういったトラブルもなく動いています。

つい先日まで、プリインストール状態だった Mac OS X Leopard の Boot Camp から、Windows パーティションを切りだして、 Windows XP 32bit 版を共存させていましたが、当然、XP 側も、普通にネットにもつなぐ使い方をしているので、『Windows XP のサポートは 2014 年 4 月 8 日で終了』(http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows/end-support-help)にそなえて、Windows 7 32bit 版に、今回、アップグレードしてみましたので、作業の記録を共有したいとおもいます。

パソコンの OS のアップグレードというと、特に目新しい内容でもないのですが、今回の iMac(Early 2006) の Boot Camp は、Windows 7 を、正式にサポートしていません。(http://support.apple.com/kb/HT3986?viewlocale=ja_JP) では、「以下を除く、すべての Intel ベースの Mac で、Boot Camp 3.1 以降を使って Windows 7 を実行することができます」とあり、iMac(Early 2006)は、この中にリストアップされています(つまり Windows 7 を実行できないと公式に記載されています・・)。 

このリストの中には、ハードウェア構成が大きく異なる iMac (Late 2006) も Windows 7 非対応として記載されていますが、(『imac 2006 windows 7』@google) によると、日本語の情報も含めて、Windows 7 をセットアップした実績が見当たります。ですが (『imac early 2006 windows 7@google)と検索しても、Early 2006 については、特にアップグレード実績が情報として見当たらないので、単なる OS のアップグレードとはいえ、ちょっと変わった情報になるかなと思い、作業記録を今回の社員ブログのネタにしてみました。

なお、一応、おことわりですが、今回の環境では、たまたま、『うまくいきました』といった程度の情報ということで、一切の内容は無保証になりますのでご了承ください。また、今回は、XP の領域を完全にフォーマットして、Windows7 をクリーンインストールしていますので、事前のデータのバックアップをかならずおこなってください。こちらでは、作業開始の時点で、弊社製品のActiveImage Protector  aip35_logoを、アップグレード元の Windows XP 環境にセットアップして、Windows パーティションのバックアップをおこないました。これで、アップグレードに失敗しても、XP のバックアップイメージファイルを上書きすれば、いつでも作業前の状態に戻ることができます。

■ ハードウェア構成

今回の iMac(Early 2006) のハードウェア構成です。

 [iMac (Early 2006) – 技術仕様]

   http://support.apple.com/kb/SP35?viewlocale=ja_JP

CPU は 『Core 2 Duo』 ではなく、『Core Duo T2500』 なので、64 ビット命令をサポートしていません。そのため、Windows 7 は、32 ビット版をセットアップすることになります。CPU は、ソケットにインストールされているので、Core2 Duo T7600 置き換えることもでき(当然無保証)、置き換えた場合はWindows 7 64 ビット版もセットアップ可能になりますが、ロジックボードがサポートしている物理メモリの最大搭載量は、2GB なので、あまりアップグレードの必然性も無いように思います。

作業に際して、Open Firmware のバージョンは一応最終リリースに更新しています。
 

■ OS のセットアップ

今回は、OSX 側の Boot Camp アシスタントによる再パーティショニングなどは一切おこなわずに、既存の Windows XP 用に切ったパーティションをフォーマットして、ここに OS をセットアップします。

Windows 7 のインストレーションメディアを、(http://support.apple.com/kb/HT1310?viewlocale=ja_JP)の手順で起動すると、Windows 7 のインストーラーが、ちょうど、(http://hacks.beck1240.com/?p=19)の「3.1で作成したパーティションをフォーマット」のように、ボリュームラベル 『BOOTCAMP』のボリュームを認識します。このボリュームをフォーマットして、Windows 7 のセットアップを完了します。セットアップや初期設定情報の入力の手順は、他のコンピューターと特に変わりませんので、ここでは割愛します。

■ OS のセットアップ後

Windows 7 のセットアップが完了すると、普通にデスクトップが表示されますが、いくつかのデバイスドライバ(特にグラフィックとオーディオ)が適用されていないため、このままでは実用的ではありません。内蔵されている、優先と無線のネットワークアダプタは、OS Inbox のドライバが正常にロードされていますので、この環境から、直接、インターネット上から、必要なデバイスドライバをダウンロードしてセットアップします。個人的には、更新する必要があるデバイスドライバは、内蔵グラフィックス・内蔵オーディオの2点だけでした。iSight のドライバもロードされていませんが、個人的には不要なので、そのままにしてありますが、おそらく(http://support.apple.com/ja_JP/downloads/#macoscomponents)で公開されている Boot Camp SupportSoftware に収録されているドライバを適用すればよいとおもいます(iSight には興味がなく適当ですみません)。

■ 内蔵グラフィックスのデバイスドライバのアップグレード

Web 上には Boot Camp に収録されている Vista 対応のドライバを適用すればよいとの記載がいくつか見当たりましたが、PowerDVD など市販の Blu-ray 再生ソフトが WDDM の要件を満たさずに停止してしまうことに気が付いたので、適用可能なドライバを探したところ、内蔵グラフィックスの開発元が公開している “10-2_legacy_vista32-64_dd_ccc.exe” が要件を満たすドライバを含んでいることがわかりました。このドライバパッケージはつぎのようにするとダウンロードすることができます(2014年2月現在)。

  [ドライバ入手元:]

  http://support.amd.com/us/gpudownload/Pages/index.aspx

    Integrated Motherboard Graphics

     -> Radeon Xpress Series

      -> Radeon Xpress 200M

       -> Windows 7 – 32 bit

2種類表示されますが、Catalyst Software Suite (10-2_legacy_vista32-64_dd_ccc.exe) の方をダウンロードします。WDM Integrated Driver には必要なドライバが含まれていません。ドライバはインストーラーではなく、手動でデバイスマネージャからセットアップする必要があります。つぎのように操作すると更新できました。

“10-2_legacy_vista32-64_dd_ccc.exe” を実行すると、”C:\ATI\Support\10-02_legacy_vista32-64_dd_ccc\” にファイルが展開されます。ファイルが展開された時点でキャンセルします(展開されたファイルは残ります)。

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つづけて、[デバイスマネージャ]-[ディスプレイ アダプター]-[標準VGAグラフィックアダプター]のドライバを、”C:\ATI\Support\10-02_legacy_vista32-64_dd_ccc\Packages\Drivers\Display\LH_INF\CL_95951.inf” を選択して、つぎのように更新していきます。更新後に、再起動すれば Windows Aero テーマが有効になっています。

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パフォーマンスも、とくに問題ないようです。

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■ 内蔵オーディオドライバのアップグレード

Windows 7 のセットアップ完了時点で、OS標準のドライバが正常にロードされているようにデバイスマネージャ上からは見えるのですが、多分デジタル音声出力が既定になっているのか、実際には内蔵のスピーカーからは音声は出力されません。こちらは、Boot Camp 2.0 (XP向け) のドライバセットのSigmaTel のオーディオドライバをセットアップすることで正常に出力されるようになりました。

 

その他、内蔵のチップセットのドライバなどは、OS標準のものでも今のところトラブルはありませんので今回は適用しませんでした。その他のアプリケーションのセットアップなどを終えたら、アップグレード元の Windows XP 環境とおなじように、弊社製品のActiveImage Protector aip35_logo を Windows 7 上にセットアップして、Windows パーティションのバックアップをおこないました。とりあえず、ソフトウェアの変更だけで、Early 2006 自体の製品寿命も延びた感じですが、なんにせよ、2006 年に発売されたコンピューターでも、現行世代の OS やソフトウェアがストレスなく動作してしまうのを再確認して、すでに終焉しつつある、コンシューマ向けの PC事業の難しさ、というものを改めて理解したというか、なんというか。