ActiveImage Protector Linux Editionのバージョン3.5
ActiveImage Protector Linux Editionのバージョン3.5をリリースしました。
バージョン3.5での主な新機能は
- 重複排除圧縮機能
- スナップショットドライバの自社開発
- GPTディスクへの対応
- Red Hat Enterprise Linux 6.3/6.4 に対応
です。
保存先の容量を大幅に縮小できる重複排除圧縮機能
イメージングバックアップ製品では世界で初めて(注1)バックアップと同時にデータブロックの重複を排除して圧縮する機能を実装しました。一般的に重複排除機能というと別途アドオン製品が必要であったり、保存先のストレージ内に独自のノードを作成する方法や重複排除機能を実装した高価なストレージを購入するというあたりを想像すると思います。ActiveImage Protectorはバックアップを行いながら、同時にインラインでの重複排除圧縮を行います。別途ソフトウェアや重複排除機能を搭載したストレージ、特別な設定や操作も必要ありません。単に非常に圧縮率の高い圧縮方式だと考えてもらえればわかりやすいと思います。バックアップされたイメージファイルの圧縮率は劇的に高くなり、保存先の消費容量を大幅に縮小(注2)できます。
圧縮率がいくら高くなっても、圧縮時間がその恩恵をはるかに上回るほど長くなってしまうなら、とても実用的とは言えません。ActiveImageの重複排除圧縮は実用的な速度で圧縮を完了します。社内での計測結果の一例(Windows版)ですが、A社の重複排除が完了まで約2000分かかったのに対して、AIPでは108分で完了しています。また復元時間もA社は約780分でしたが、AIPでは185分でした。AIPの重複排除圧縮はインラインで行われているためこのような実用的な速度で非常に高い圧縮率を実現しています。Linux版も同じ重複排除圧縮のコードを使用していますので同様の性能になります。
Linuxネイティブのスナップショットドライバーを自社開発
バックアップ製品開発分野での長年のノウハウを活かした、Linux用のスナップショットドライバー(AIPSNAP)を自社開発し今回から組み込みました。これにより、Linux上でもさらに安全で堅牢なバックアップがおこなえます。以前のバージョンは3rdパーティ製のスナップショットドライバを使用していました。ここで敢えて自社開発に踏み切ったのは、お使いの方ならご存知でだと思いますが、Linuxではカーネルバージョンが変わるたびにスナップショットドライバも更新する必要があります。このバージョンアップやトラブル対応の時に、スナップショットというコア部分がブラックボックスであったり、他にも制約があると迅速な対応ができず、結局しわ寄せがユーザーに行ってしまう―という事態を改善したかったためです。自社開発であれば、当然ソースコードも含めてなにもかもが手元にありますので個別対応も機能改善も容易(もちろん技術的には容易ではないことのほうが多いのですが…)に取り掛かることができます。
GPT(GUIDパーティションテーブル)のサポート
GPTディスクのバックアップリストアに対応しました。2TBを超える大容量ディスクのバックアップが可能になりました。2TBを超えるボリュームのバックアップを行う場合にはext4を扱える必要があります。スナップショットの退避領域も2TBを超える可能性があるためです。
今回の3.5の新機能は本来は次バージョン4.0から導入予定であったものですが、前のバージョン(3.1)をリリースしてから時間が経っていることもあり、先に要望が多かった機能を実装して3.5としてリリースした形になっています。
(注1)当社調べ
(注2)当社の検証結果では標準的なデータの場合、元サイズから約50%程度に容量を縮小できます。