ActiveImage Protector Linux Edition 4.5 リリース

ActiveImage Protector Linux Edition のバージョン4.5をリリースしました。

バージョン4.5の新機能は、

  • Red Hat Enterprise Linux 7、CentOS 7 に対応。
  • XFSのスマートセクターに対応
  • タスク実行後に[システムのシャットダウン][システムの再起動]が可能
  • スナップショットドライバの改善
  • バックアップ元ホスト以外のホストで結合処理をサポート
  • AIPBEの改善

です。

Red Hat Enterprise Linux 7、CentOS 7 に対応。

RHEL7/CentOS7からはインストール時のデフォルトファイルシステムが新しく採用されたXFSになりました。また、起動時にはsystemdが採用されました。以前のAIPではXFSは解釈できず、systemdにスナップショットドライバを組み込む処理も行っていませんでした。以前のバージョンでも理屈としてはコールドバックアップでフルセクターバックアップを行えば対応できるのですが、それではわざわざAIPを使う意味はありません。今回の4.5でXFSのスマートセクター(データボリュームのみ)とsystemdへの対応を行いました。しかしながらXFSのシステムボリュームに関しては対応が間に合わなかったためスマートセクターを使うと復元してもそのままでは起動ができません。システムのバックアップはフルセクターでバックアップをしておく必要があります。

タスク実行後に[システムのシャットダウン][システムの再起動]が可能

最近ではストレージ容量もインフレが進み、それと比例してバックアップのために必要なリソースも増大してきています。バックアップ容量も必要ですし、バックアップするのにも時間がかかります。容量に関してはAIPではインラインの重複排除圧縮を行えるため容量は相当抑えることができます。時間に関してもバックアップソフトとしては高速な部類ですが、大容量であればそれに比例して時間はかかります。この機能はバックアップが終わったら自動的に電源断や再起動を行うものです。たとえば退社時に業務機をシャットダウンをしなければならないルールのところもあるのですが、業務終了後にバックアップを開始し終了まで待ってからでなければ退社できないというのもばかばかしいので、この機能を使えば、長時間かかるバックアップでも仕掛けておけば退社後にバックアップが終わり次第マシンを終了させることができます。サーバー用途ではあまり日常的に使う機能ではありませんが、たとえばメンテナンス前などにバックアップをとってから再起動をしたい場合などには、バックアップを仕掛けてその場を離れられるので便利な機能です。

スナップショットドライバの改善

スナップショットドライバ、トラッキングドライバの安定性を向上しました。スナップショットドライバは低レベルのディスクI/Oを監視して書き込みに対してスナップショット提供します。通常の使用のディスクアクセスであれば問題ないのですが、たとえばクラスタシステムの特殊なディスクデバイスや想定外の場所へのリクエストなどがあった場合の対策を行いました。

バックアップ元ホスト以外のホストで結合処理をサポートしました。

結合処理は複数の増分ファイルを一つにする機能です。スケジュールによる増分バックアップは各バックアップはサイズが小さいため高速に動作し、個々のファイルサイズも必要最小限になります。その反面、時間とともにファイル数が膨大になり管理しづらくなります。そういう場合に増分ファイルを一つにまとめる機能が結合(コンソリデーション)です。多くの場合にはそれほど細かい粒度の増分は必要ないため、1週間、1か月単位でまとめてしまうことが普通です。結合処理は増分ファイルを後から加工するのでバックアップスケジュールと密接に関係しています。そのため通常はバックアップを行うマシンと同じマシン上で行いますが、バックアップと結合は同時に同じマシンのリソースを使うことになりますので場合によっては他の業務に支障がでる可能性もあります。結合処理を行うのに他のマシンのリソースを使えればバックアップ対象マシンの負担を減らすことができます。旧バージョンでは他のホストから無理矢理結合を行うと増分バックアップとの整合性が取れなくなってしまいその後のバックアップはフルバックアップになるという挙動でした。新しいバージョン4.5からは他のホストから実行しても増分ファイルの整合性を壊さずに結合が可能になりました。

プロファイルベースのオフサイトレプリケーションを追加しました。

バックアップファイルを他の保存先にレプリケーションすることができます。ローカル フォルダー、ネットワーク共有フォルダー(CIFS)、WebDAV(HTTP/HTTPS)、FTP、SFTP、Amazon S3(要AWSCLI) をレプリケーション先として使用できます。S3に関してはAWSCLIを使用しています。Linux版はPythonで記述されていますので、環境によってはPythonのインストールが必要になる場合があります。

AIPBEの改善

緊急時に起動して使うAIPBE(起動環境)のベースを見直し、サイズを小さくしました。以前はLiveCDベースであったのでなんでもできたのですが、サイズが大きく、たとえば出先で今すぐダウンロードしたいけれどサイズの問題でできないので小さくしてほしい、などの要望がありました。今回は不要なファイルや機能を調整して200MB程度にまで抑えることができました。

AIP Linux版も4.5になり、豊富な機能が搭載されました。ようやくWindows版と比べても遜色のないレベルにきたのではないかと思います。