ActiveImage Protector 3.1 SP2
ActiveImage Protector 3.1 のSP2をリリースしました。
ActiveImage Protector 3.1のSP2をリリースしました。サービスパックですので既知の問題の修正が主ですが、追加された機能もいくつかあります。
主な追加機能は、
- コンソリデーションでベースも結合可能
- スマートコンソリデーション/ユニファイ
- サービスの状態監視機能
- タスクトレイアイコンの追加
- オフサイトレプリケーションのパフォーマンス設定
- フルバックアップのみの保有ポリシーの設定
- メール通知のSSL/TLSの対応
- Linux版にQuick P2V機能を追加
です。
コンソリデーションでベースも結合可能
コンソリデーションは増分バックアップファイルを結合して見通しをよくするための機能です。前バージョンでは最初のバックアップ=ベースファイル(フルバックアップ)は結合の対象からはずしていました。これはベースファイルはフルバックアップなので、サイズが大きいため結合すると時間もかかり、コンソリデート後のファイルを削除しない設定を選んだ場合には保存容量も大きく、またベースファイルはバックアップの大元ですので、できれば手を付けないほうが安全、という理由からです。結合後は最低でもベースファイルと結合した増分ファイルの2つのファイルになります。通常はこちらがおすすめなのですが、やはり最新のバックアップを1つにまとめておきたい、という要望もある程度寄せられましたので、ベースも含められるように変更しました。
この変更を行うと、別機能で実装しているユニファイとどこが違うのか?という疑問が出てきます。コンソリデーションは増分バックアップを継続しつつ増えたファイルを結合してまた増分を継続していきます。一方、ユニファイはベースも含めて全て統合して、その時点のフルバックアップとして別名で保存を行うというものです。コンソリデーションは増分バックアップを継続しながらバックアップファイルの整理、ユニファイは最新のバックアップを別の場所にアーカイブしておくと考えてもらうとわかりやすいと思います。
スマートコンソリデーション/ユニファイ
スマートコンソリデーション/ユニファイは結合後のファイルを最適化します。これまでは削除されたブロックもそのまま結合していました。スマートコンソリデーションでは結合後に存在しないはずのブロックは削除されるようになりました。
どういうことかというと、ベース作成後、1Gのファイルを作成、増分を作成、さきほど作成した1Gのファイルを削除して、再度増分バックアップ、そしてこの2つの増分を結合した場合には、増分ファイルのサイズはゼロ(実際はその他のデータのあるのでゼロにはなりませんが)になっていて欲しいという要望に応えたものです。前のバージョンでは変更を全て保存していたのでファイル数は減ってもサイズは変わらず、途中に戻れるわけでもなかったので、より実用的な仕様になりました。
サービスの状態監視機能
今回のバージョンからサービスが停止した場合、サービスの再起動を試み、結果をメールで通知できるようになりました。ActiveImage Protector のコアサービスaipservice は常駐してバックアップタスクやスケジュールをコントロールしています。なんらかの原因でaipserviceが停止してしまうと期待していたバックアップがとれなくなってしまいます。そして、モノがサービスだけに止まってしまったことに気がつかないことがあります。予期しないサービスの停止が起こってしまう場合、その原因そのものは環境依存であることが多く特定するのはなかなか難しい作業ですが、少なくともサービスが止まってしまったら管理者はその事態を把握しておくことができるようになります。
タスクトレイアイコンの追加/オフサイトレプリケーションのパフォーマンス設定
バックアップやオフサイトレプリケーションを実行しているときにタスクトレイにアイコンを表示するようにしました。ここからレプリケーションの優先度の変更なども起動できるようになっています。その他、コンソールの表示、シャットダウン時のイメージ作成など従来の機能も引き続き使用できます。
フルバックアップのみの保有ポリシーの設定
ActiveImageでは、ベースイメージファイルとそれに連なる増分バックアップファイルをまとめてイメージセットという形で世代の管理を行なっています。保有ポリシーはこの世代ごとにいくつまで保存しておくかを指定して古いものから自動的に削除して保存先の容量を確保する機能です。今回の修正でフルバックアップのみも一世代として扱い保有ポリシーを設定できるようにしました。
メール通知のSSL/TLSの対応
AIPにはバックアップ完了時や障害時にメールによる通知機能があります。従来は単純なSMTPのみの対応でしたが、SSL/TLSが必須のメールサーバーも使えるようにしました。また、AIPエージェントの異常終了時の通知も可能にしました。
Linux版SP2にQuick P2V機能を追加
Linux版もSP2になりました。新機能としては、Linux(Red Hat Enterprise Linux 4-6)でのP2V機能を実現するQuick P2V機能を搭載しました。Quick P2Vを有効にすると、バックアップ時に必要な設定を適用したイメージファイルを作成します。あとは仮想マシンに復元すれば起動してきます。Windows版のP2Vでは一度イメージを作成したあとに、各々の仮想環境に合わせた仮想ディスクに変換するか、AIRを仕掛けて復元しています。AIRを使った仕組みと似た方法を復元時ではなくバックアップ時に行なっているところが“Quick”の由来です。Linux版にはWindows版のような形のP2Vはありません。