ActiveImage Protector SP3 リリース

ActiveImage Protector Server/Desktop Edition SP3 をリリースしました。

通常サービスパックと言った場合には過去の不具合の修正の累積をまとめて更新する、というような意味合いですが、AIPのSPは以前から修正だけに留まらず多数の新機能を追加してきています。今回のSP3でもさらに便利に使える新機能を追加しました。

SP3での主な機能強化

以下の機能強化が主な内容です。

  • 仮想変換ユーティリティ(P2V 機能)を強化し、ESXi サーバーのデータストアを保存先として指定して直接仮想ディスク ファイルに変換することが可能になりました。
  • NTFS ボリュームの縮小復元、縮小複製が可能になりました。
  • Windows PE 復元環境作成ウィザードにより、Windows ADK を使用して Windows PE 4.0 ベースの Windows PE 復元環境が作成できるようになりました。
  • 汎用の復元環境として ActiveImage Protector Boot Environment(Linux 復元環境)を同梱しました。

P2Vの強化

変換した仮想ディスクの保存先としてESXiサーバーのデータストアを直接指定できるようになりました。今までは一度ローカルディスクへ変換したディスクを保存してからESXiサーバーへアップロードを行う必要がありました。ESXiで使用する仮想ディスクはサイズが大きいためアップロードだけでも時間が相当かかっていましたが、今回の機能で変換作業全体の時間を減らすことができます。ネットジャパンはVMwareのVTAP EliteメンバーになりましたのでこうしたESXiホストへのアクセスを行うために必要なVDDKを製品にバンドルして配布できますので、こうした便利な拡張も可能になりました。

NTFS Shrink on the fly

NTFSボリュームの縮小復元、縮小複製を行える機能です。今までは、たとえば200GBのボリュームをバックアップした場合には、復元時は200GBあるいはそれよりも大きい300GB、400GBの領域に復元することができました。要するに同じ大きさかそれ以上のサイズにして復元が可能だったわけです。ということは、190GBしか領域がなかった場合には復元そのものができないということです。実際に使用している容量が20GB(200GB中20GBの使用なので180GBは空き容量となっている状態です)程度であったとしても、ボリュームのサイズとしては200GBの領域が必要になるため、領域が足りなくなるからです。SP3では、使用容量と作業用の容量(状態によって変わります)が確保できればNTFSボリュームを縮小して復元することが可能になりました。同じサイズのディスクを使っていても、型番が同じディスクを買ったはずでも、なぜか全シリンダー数が少しだけ小さいということがときどきあります。そんな時でもこの機能を使えば簡単に復元が可能です。

Windows PE 復元環境作成ウィザード

Windows PEベースの復元環境をユーザーが作成できるツールを用意しました。以前も同じ様な機能のものがありましたが、中身は違います。以前は製品メディアを起動すると、Windows PE 3.1で動作するAIPが起動してコールドバックアップ、復元をおこなえるという復元環境を提供していました。しかしながら、昨年Microsoft との契約が変更されため、ISVはWindows PE を以前のような形で配布できなくなってしまいました。今回のツールはMicrosoft が提供しているWindows ADKを使用して復元環境/ユーザーカスタマイズ環境の作成を行うことができます。このツールを使うことでSP2までのWindows PE 4.0 ベースの復元環境と同等のものが作成できます。以前のバージョンに復元メディアのカスタマイズ機能がありましたが、その時に使う参照元となる製品メディアはネットジャパンで作成していたわけですが、その作成手順をそのままツールにしたと考えてもらうとわかりやすいかと思います。

AIPBE(ActiveImage Protector Boot Environment)の提供

上で述べたようにPEの作成ツールを提供することになりましたが、やはりあらかじめ作成してあるメディアから起動してすぐに使用できる起動環境は必要でしょう。製品メディアを使う起動環境は新しくAIPBEという名前で提供することになりました。AIPBEはLinux版のActiveImageをLinux LiveCD上で動作するように構成した起動環境です。実体はAIPのLinux版と同等ですのでイメージファイルの互換性等が問題になることはなく、間違いなくバックパップ/復元を行うことができます。

その他の修正の詳細はリリースノートご覧ください。