ActiveImage Protector 4.0 Linux Edition リリース (1月27日より出荷開始)

ActiveImage Protector 4.0 Linux Editionを1月27日より出荷開始します。

ActiveImage Protector Linux Editionの最新版をリリースしました。ActiveImage Protectorシリーズの製品としては最初にバージョン4.0になり、Windows 版より先行してのメジャーバージョンアップになりました。実は、Linux版は3.5SPでスナップショットドライバーの変更をした際にコア部分は4.0の増分などに対応できるように更新をしていましたので、コード的には3.5SPは既に4.0の初期バージョンだったとも言えます。

4.0のバージョンアップポイントはいくつかありますが、大きな機能追加である

  • 増分バックアップ
  • GUIの実装(Windows上で動作するコンソールを含む)

の2点を解説します。

増分バックアップ

増分バックアップは、ブロックベースでの変更部分だけをバックアップします。毎日バックアップを行ってもそれほどバックアップファイルが大きくなりません。また、ActiveImage Protectorでは独自の重複排除圧縮をバックアップ時に行いますのでさらにサイズは縮小されます。3.5では差分までの対応で増分の実装は沢山の要望をいただいていましたが、ようやくリリースできました。

スケジュール設定

増分に対応したスケジュール設定

増分のトラッキング方法として、2つの方法を用意しています。少し技術的な話になりますが、一つはシステムの変更を必要せずに行えるが一部制限のある方式と完全なトラッキングを行えるがシステムに事前設定が必要な方式です。

どういうことかというと、前者は更新ブロックを保持するためのトラッキングデータをファイルシステム下で作成します。これだとユーザーはインストールして設定するだけで他には何もせずに増分バックアップが可能です。簡単なのですが一方で、ファイルシステム下にあるのでそれを外れる場合、例えば起動時やリスタート時のトラッキングの保証ができません。たとえば再起動して起動時にfsckが走ると(特別なことではないと思いますが)トラッキングできないところで更新が発生して、トラッキングデータと実ディスクのデータで不整合が発生する可能性が非常に高くなります。そのため、再起動の度に破棄する必要がでてきます。

後者は、別途デバイスとしてトラッキングデバイスを作成します。トラッキングデバイスとしてはパーティションを一つ作成します。使用するシステムや管理者のポリシーなどによっては作成する余地がなかったりパーティションの追加が許されていない場合もあります。作成自体は難しいことではありません。トラッキングデバイス方式であればカーネル起動の最初期、ファイルシステムが動作する前、からトラッキングが可能になりますので堅いシステムを構築できます。

どちらの方式を使うかは状況しだいですが、パーティションの作成が可能であれば作成は一度だけの作業ですので、トラッキングデバイスを作成するのがお勧めです。

GUI

プログレス

プログレスとグラフ表示

過去のLinux版は管理者がコマンドラインで使用する場合を想定してコマンドラインとCUIでの構成でした。しかし一方でLinux版でもGUIで操作したいという要望も継続していただいていました。バージョン4.0では、GUIを新しくデザインし直しました。コードも全て新規に書き起こしています。Linuxデスクトップ環境でのGUIだけでなく、Windows上からリモートで接続できるGUIも同時リリースが可能になり、同梱しました。

バックアップウィザード

バックアップウィザードのディスクマップ表示

GUIですので、タスクの進行やログ一覧、バックアップパフォーマンスのグラフ表示やファイルエクスプローラーなどグラフィックで表示、操作ができますので、バックアップのオペレーターにLinuxの専門的な知識がなくてもバックアップ操作やログの確認ができます。

またリモート接続も可能です。Linuxのシンプルなサーバーを普段は SSHで接続して運用していたり、仮想環境で複数のサーバーを起動している場合などに一カ所のGUIから接続先を切り替えてAIPの操作を行うことができます。今回はWindows版の同等のコンソールも同梱しましたので、普段はWindows環境で作業していたり、Windows,Linux を混在して運用している場合でも同じ端末から操作をすることができます。

今回のGUIではファイルやフォルダの選択にファイルエクスプロラーを新しく書き起しました。

リモートファイルエクスプローラー

リモートファイルエクスプローラー

このリモートファイルエクスプローラーはリモート接続時でも接続先のローカル、マウントフォルダにアクセスするだけではなく、リモート先から見えるCIFS共有にもアクセスができます。リモート側でもローカルでの操作とほとんど変わらない操作が可能です。

そのほか、uEFIやLVMの取り扱い、復元環境 ActiveImage Protector BEも新UIで使用することができます。

メジャーバージョンアップで中身は堅く、見た目はユーザーフレンドリーになりましたので、さらに詳しい内容は製品概要をご覧ください。