永久増分バックアップ運用のポイントについて
ActiveImage Protectorは、初回だけフルバックアップ(ベースバックアップ)を実行し、以降は増分バックアップ運用を行うスケジュール設定が可能ですが、環境にもよりますが増分イメージファイル数の増加により増分バックアップの処理時間が長くなる傾向があります。
今回、ActiveImage Protectorのアドオン・オプションのImageCenter LEに搭載されている「結合」機能を使用して、増分イメージファイル数を減らすことにより増分バックアップの処理時間が改善されるか試してみました。
■検証環境の構築
以下、検証環境のバックアップ元のサーバーに100GBのランダムデータを書き込んだファイルを1つ配置し、ファイルに1バイトのデータの変更を加え増分バックアップを繰り返し約600回実行しました。
最初、バックアップ保存先のディスクにSSDを使用していましたが、処理時間が大幅に増える傾向が確認できなかったため、ディスクをHDDに交換して行ったところ、初回の増分バックアップは1分40秒程度で完了していましたが、増分イメージファイル数が600に増えると、15分17秒と処理時間が約10倍以上となり大幅に増えることが確認できました。
増分イメージファイル数の増加により増分バックアップの処理時間が長くなる要因としては、増分バックアップ動作のタイミングで前回のバックアップの状態と現在のディスク上のブロック情報を比較して変更ブロック情報を取得しますが、前回のバックアップ状態の情報を得るために、全ての増分イメージファイル内に保持されている変更ブロック情報の読み取、比較、解析処理をおこないますので、増分イメージファイルの増加により処理時間が長くなるためです。
■増分バックアップの処理時間の改善確認
今度は、ImageCenter LEの「結合」機能を使用して、増分イメージファイルを結合して残す増分ファイル数を減らした場合の増分バックアップの処理時間の推移を確認しました。以下、増分イメージファイル数が600の時の処理時間は15:47、100では2:56、50では2:06、30では1:49となりました。
あくまでも、検証環境による調査ですが永久増分バックアップ運用における増分バックアップ処理時間の観点で、増分バックアップの結合処理は有効であることが確認できました。
例えば、残す増分イメージファイルの数を30にすることにより、初回の増分バックアップから何倍も処理時間が長くなるという問題を回避できるかと思います。
以上、永久増分バックアップ運用における、増分イメージファイルの結合処理の有効性について説明しましたが、既に永久増分バックアップ運用を行っている、または、これから永久増分バックアップ運用を検討している方に少しでも参考になれば幸いです。
また、ImageCenter LEに搭載されている「結合」機能の仕組みについては、以前、ブログで紹介していますので参考にしてください。
●ブログ:ImageCenter LE の増分ファイルの結合機能の仕組みについて
By oki