ActiveImage Protector 豆知識 ~ ImageCenter LE の増分ファイルの結合機能の仕組みについて ~
今回は、ImageCenter LE(※1)に搭載されている増分ファイルの結合機能の仕組みについて解説します。
(※1):ImageCenter LEは、バックアップ元のサーバーに負荷をかけることなく、ActiveImage Protectorとは別のサーバーでバックアップファイルのレプリケーションや増分ファイルの結合(コンソリデーション)が行える ActiveImage Protector の無償オプションです。ダウンロードはこちら)
まず、ImageCenter LEの増分ファイルの結合処理のタイミングは、以下の3つから選択できます。
1)即時
新しいイメージ ファイルが作成されるとすぐにタスクが実行されます。
2)xx個の新しいイメージが作成されるたびに実行する
新規イメージが指定個数作成されるとタスクが実行されます。
3)時間指定
指定した週単位/月単位の指定した時間にタスクが実行されます。
ここからは、個々の結合処理の仕組みについて解説していきます。
1.「即時」を指定した場合の動作
以下の設定例で説明します。
最新の増分ファイルを7個残すという設定をした場合、常に増分ファイルを7個残すために、初回の結合処理においては増分8はスキップされ、増分9が作成されたタイミングで、最も古い増分1が増分2に結合され、増分1が削除されます。結合済みの増分ファイルは、残す増分ファイル数から除外されて管理しています。
次に、増分10が作成されたタイミングで、増分2が増分3に結合され、増分2が削除されます。
次に、増分11が作成されたタイミングで、増分3が増分4に結合され、増分3が削除されます。このように、増分ファイルが作成されるたびに結合処理が繰り返されます。
2.「xx個の新しいイメージが作成されるたびに実行」を指定し場合の動作
以下の設定例で説明します。
残す増分ファイルは7として、2個の新しい増分が作成されるたびに結合処理を行う設定をした場合、増分8と増分9の2つの増分が作成されたタイミングで増分1が増分2に結合され、増分1が削除されます。
次に、増分10と増分11が作成されたタイミングで、増分3が増分4に結合され、増分3が削除されますが、増分2は残ったままになります。このように、「即時」実行とは異なるのは、結合済みの増分が複数保持されます。
ここで、設定例として結合済みの増分を2個残す設定の場合、増分12と増分13が作成されたタイミングで増分5と増分6が結合され、増分5が削除されます。さらに、結合済みの増分2が増分4に結合され、増分2が削除されます。
3)「時間指定」を指定した場合の動作
以下の設定例で説明します。
時間指定の場合は、結合処理のタイミングの違いだけで「xx個の新しいイメージが作成されるたびに実行」と同じ動作となります。
00:00の時点で増分ファイル8、9、10が新たに作成されていた場合、増分1、2が増分3に結合され、増分1、2が削除されます。新しく作成された増分ファイルの数分、最も古い増分を含む数分の増分ファイルが結合されていきます。
次の日の00:00の時点で増分ファイル11、12が新たに作成されていた場合、増分4が増分5に結合され、増分4が削除されます。
次の日の00:00の時点で増分ファイル13、14が新たに作成されていた場合、増分6が増分7に結合され、増分6が削除されます。さらに、「結合された増分を2個残す」と設定していると増分2が増分5に結合され、増分2が削除されます。
ActiveImage Protectorでは、永久増分という初回にフルバックアップを取得して、以降は増分バックアップを取得する運用が可能となっていますが、デメリットとして古い増分ファイルを消すことはできません。例えば毎日1回増分バックアップの運用を1年間行うと365個の増分ファイルが作成されることになり、バックアップ保存先容量の圧迫もありますが、増分バックアップの処理時間の増加や最も重要な万一の復元処理時間が増大する可能性があります。
増分バックアップの結合処理は重要ではありますが、安定したバックアップ運用を行っていただくためには、定期的に例えば3ヶ月ごとにフルバックアップを取得し直す運用をお勧めしています。
今後とも ActiveImage Protector およびアクティファイをよろしくお願いいたします。
* ブログでは、ActiveImage Protector の使い方のコツ、豆知識をご紹介しています。是非以下の記事も併せてお読みください。