ActiveImage Protector(AIP) トラブルシュート その2 書き込みエラー編

ActiveImage Protectorでバックアップ運用中にトラブルシュートが発生した場合、行うアクションは複数あります。調査依頼を頂く際には、基本的にはサポート情報があれば、何が起きているかある程度の類推が立てられます。
*全てがそうとは限りません。

エラーコードを公開していますのでご参照ください。

今回は -553と-559について取り上げます。エラーは下記を意味します。

-553 : 開いているファイルはありません(保存先にアクセスができない)
-559 : 保存先への書き込みエラー(保存先への書き込みが継続できない)

-553は、保存先にアクセスできない場合に発生します。
この場合、タスクで設定した保存先のドライブレターと保存先にアクセスが正常に行えているか、およびデータ書き込み可能かどうかを確認してください。保存先USB HDDにおいては下記のケースもあるので参照し対応して下さい。

保存先がUSB HDDの場合 Exit code: -553 が発生する可能性がある

-559は、WindowsのVSSを使用して作成したスナップショットを、バックアップ保存先へデータを書き込む途中で何らかのエラーが生じた場合に発生します。基本的には下記の記事を参照して対応する必要があります。

Exit Code: -559 のトラブルシューティング

このエラーの発生要因は、通常、バックアップデータを保存先に転送するまでの経路に何らかの障害が発生しています。

経路の例)
1)AIPバックアップ対象 — ローカルディスクなどのローカル保存先
2)AIPバックアップ対象 — NASなどの保存先

エラー時に、ヒントとなる警告がWindowsイベントログに記録される場合があります。

警告       2021/08/25 17:23:21         Mup       139        なし
全般
{遅延書き込みデータの紛失} ファイル \\…\…@img_d00_00001.000 のためのデータを一部保存できませんでした。データを損失しました。 このエラーは、ネットワーク接続の問題によって発生した可能性があります。このファイルをどこか別の所に保存してください。

この場合は、保存先にデータを書き込む途中でエラーが発生しています。
一過性のものであれば様子見ですが、頻発する場合、他のディスクを保存先として設定をして切り分けを行い、問題が発生しない場合は、保存先のディスクのメンテナンスを行います。

保存先がネットワークの場合、AIP側では、スケジュールの高度な設定に「ネットワークへの書き込み時にキャッシュを使用する」のチェックをオンにすることで解決する場合があります。こちらはWindows API のFILE_FLAG NO_BUFFERINGのフラグを変更するためのオプションとなっています。

バックアップ速度が遅い場合に関連しますが、下記のナレッジにて、隠しパラメータを設定してパフォーマンスを調べることで、ローカルの読み込みか、保存先への書き込みが予測より遅いかの判断がある程度可能です。書き込みが遅い場合は、書き込みエラーと関連する可能性があるため、保存先や保存先経路のメンテナンスを行います。

バックアップパフォーマンスの調査方法

Windowsイベントログにヒントがない場合、このエラーの解決には時間がかかる場合が多いですが、以下の手段などを行い、改善を試みます。

  • 保存先がアンチウィルスソフトの監視下にあり、アンチウィルスの定義ファイルの更新によって発生することがあるようです。その場合、イメージ保存先を監視対象外にします。
  • 保存先が不調の可能性があるため、保存先の機器のシステム再起動を行います。RAIDを組んでいる場合、RAIDのメンテナンスも行います。
  • 保存先のエラーチェックを行います。
  • 保存先ネットワークの場合、ネットワーク負荷のかからない時間帯に変更します。

「ActiveImage Protector(AIP) トラブルシュート その1 VSSエラー編」も併せてお読みください。

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