システム要件を満たさないメモリ割り当ての起動環境で復元できない BE Linux編

前回の「システム要件を満たさないメモリ割り当ての起動環境で復元がエラーになった話」では、Windowsベースの起動環境 (WinPE/RE)で調査を行いましたが、Linuxベースの起動環境についても調査しました。

結論としてエラーにはなりませんでしたが、タスク処理が停止し続け終わらず、サポート情報なども取得できない状況に陥り、復元ができない状況となりました。

システム要件
Actiphy Boot Environment (Linux)
メイン メモリ:2GB以上

テストは下記のプログラムを使用しましたが、Linux Editionの起動環境も同様です。
Boot Environment Builder バージョン 1.0.7.885

調査方法として、まず、Hyper-Vの仮想メモリを512MBに割り当てた仮想ゲストから起動環境の起動を試みます。

GRUBメニューで Start AIP Boot Environment を選択し起動を試みると、黒画面を維持してしまい、言語選択画面にたどり着けませんでした。


次に、Hyper-Vの仮想メモリを1024MBにして仮想ゲストから起動環境の起動を試みると、言語選択画面に遷移し、言語選択後にイメージからの復元を試みると、処理は0%で止まり続け、画面操作ができなくなりました。この状態からはサポート情報が取得できませんでした。


次に、Hyper-Vの仮想メモリを1600MBにして仮想ゲストから起動環境の起動を試み、イメージの復元を試みると、進捗30.9%で停止しました。この状態からサポート情報の取得ができませんでした。


次に、Hyper-Vの仮想メモリを2048MBにして仮想ゲストから起動環境の起動を試み、イメージの復元を試みると成功しました。実際にシステムの起動まで確認。


状況はWinPE/REと若干異なる部分はございますが、Linuxベースの起動環境においてもシステム要件を満たさない場合正常動作しないという結果になりました。

起動環境でのサポート情報収集手順は下記のナレッジをご参照ください。
AIP Windows版 サポート情報収集手順

実際の作業環境でサポート情報では、ターミナルを開いて /opt/BE/aipcontrol serviceinfo
を実行すると、RAM Size: でメモリ容量(バイト)を確認することができます。


元の環境と同じ環境へ復元する場合はこの状況に陥ることはございませんが、仮想環境で上書きをせず復元を行う、といったケースでは、復元先の仮想ゲストに割り当てるメモリサイズは、ActiveImage Protectorの起動環境のシステム要件を満たす値を設定し使用頂くことを強く推奨します。

Support T.