Actiphy Rapid DeployのクライアントPCのネットワークブート(iPXEブート)のメリット
先日リリースしたActiphy Rapid Deployの拡張機能として、デプロイ対象のクライアントPCの起動方法にネットワークブートが追加されました。これにより、クライアントPCを起動させるための起動メディアの用意や、デプロイ作業の際に起動メディアをセットして起動する作業が不要になり、更にキッティング作業を効率化することができます。
ネットワークブートの仕組みとして、PXE(Preboot Execution Environment:ピクシー)ブートはご存じの方も多いかと思いますが、ネットワークカードに標準で搭載されているPXEファームウェアを使用してクライアントPCを起動させる方法です。
今回のActiphy Rapid DeployのクライアントPCのネットワークブートでは、PXE機能を拡張した「iPXE」を使用したネットワークブートを可能にしています。ここでは、iPXEブートの仕組みとメリットについて紹介していきます。
●iPXEブートの仕組み
クライアントPCから、ネットワークブートを選択して起動した場合の大まかな流れを表した図が以下になります。
①PXEファームウェアから起動
②iPXE ファームウェアを要求(TFTP)
③iPXE ファームウェアをロード(TFTP)
④iPXE ファームウェアから起動
⑤ImageCastクライアント ブートイメージを要求(HTTP)
⑥ImageCastクライアント ブートイメージをロード(HTTP)
⑦ImageCastクライアント ブートイメージを起動
●iPXEブートのメリット
iPXEブートにより、クライアントPCの起動時間の短縮を可能にしています。
以下の構成の検証マシンにおいて、iPXEブートとPXEブートの起動時間の測定結果は以下となります。
測定結果:
測定方法は、ネットワークブート開始からImaegCast Serverへの接続完了までの時間としています。測定結果は、10回測定した値の平均値となります。測定結果から、iPXEブートは、PXEブートに比べ約5倍もの高速なクライアントPCの起動を確認できました。
・iPXEブート時:34秒
・PXEブート時:2分28秒
最後に
PCのキッティング作業は、とにかく時間と手間のかかる作業です。Actiphy Rapid Deployにより、PCのキッティング作業を効率化し、エンジニアの負担の軽減に少しでもお役立ていただければ幸いです。