小江戸川越旅行記

川越は東京の北西にあり、蔵造りと呼ばれる建築様式の古い土蔵や商家が立ち並ぶ町並みで知られています。東京から一時間以下で行けるので、休日の旅行にはお勧めです。

今回は電車での小旅行。単に観光的に見るだけでなく、歴史的にみても面白いと思います。

 

まずは、高くそびえる川越のシンボル「時の鐘」の歴史に触れてみましょう。

時の鐘は、寛永4年から11年(1627年から1634年)の間に川越城主 酒井忠勝(さかい ただかつ)が、城下多賀町(いまの幸町)に建てたものが最初と言われています。

現在の鐘楼は、明治26年(1893年)に起きた川越大火の翌年に再建されたものです。3層構造で、高さ約16メートル。現在、1日に4回(午前6時・正午・午後3時・午後6時)、蔵造りの町並みに鐘の音を響かせています。

次は、熊野神社です。開運・縁結びの神さまとされています。

その歴史は、天正18年(1590年/安土桃山時代)に、この川越熊野神社の道を挟んで反対側にある蓮馨寺の二世然誉文応僧正が紀州熊野より勧請したことに始まったそうです。

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神社の境内にあるむすひの庭の鳥居。奥に、八咫烏(やたがらす)様がおられます。

八咫烏は、中国や朝鮮の伝承で太陽の化身ともされ、一般的に三本足のカラスとして知られ、古くよりその姿絵が伝わっています。

熊野神社から歩いて6分、そこは川越の老舗菓子屋「亀屋」の五代目「山崎嘉七氏」の隠居所として大正14年に建てられた旧山崎家別邸。当時の和洋折衷建築。

設計は保岡勝也(やすおか かつや)、三菱の丸の内赤煉瓦オフィス街の設計を行った他、先駆的な住宅設計で知られます。

人ごみの多い蔵の街から少し外れたところにあるこの別邸は、川越の歴史を感じられる場所です。

入場料100円(団体料金80円にて入場、説明員付き)。施設見学料が安くて感心してしまいました。

玄関から広間に入ると左手には、大きなステンドグラスに向かって上る階段があります。

当時のお金持ちの贅沢な趣味が感じられます。

ステンドグラスは、旧山崎家別邸で最も象徴的な装飾で、高さ約2.1m、幅約76mの欄間付の上下窓に入っていて、泰山木とブルージェと呼ばれる鳥がデザインされています。

その庭園は当時としては新しい考え方で、実用性と観賞を考慮した設計になっているそうです。こちらも設計は保岡勝也。

近くの大正浪漫通りは、多くの観光客で賑わっていました。

機会があれば、皆さんも是非川越に行ってみてはいかがでしょうか?