ActiveImage Protector 2016をリリース

新バージョンActiveImage Protector 2016をリリースしました。

昨年はSP7、ImageBootImageCenter LEvStandby AIP といったActiveImage Protectorの機能を強化する製品をリリースしてきましたが、ようやく本体も新バージョンになりました。

新しいバージョンでは以下の更新を行いました。

  • GUI のデザインを刷新
  • マルチスケジュール
  • 起動環境作成の強化
  • オンラインアップデート
  • オンラインアクティベーション

GUI のデザインを刷新

  • Linux版では導入されていた新しいGUIをWindows版にも採用しました。
  • 現在のバックアップの状況や作成済みスケジュール、実行したタスクのログなどが確認できるダッシュボードを新しく追加しました。
  • バックアップ ウィザードでは、より直感的な操作が可能になりました。
  • 復元ウィザードでは、複数のイメージと複数の復元先を指定して操作を実行することが可能になりました。
  • イメージの管理機能を強化し、イメージ ファイル リストから検証、結合、仮想変換などの各種操作が可能になりました。
ダッシュボード

ダッシュボード

マルチスケジュール機能

複数のトリガーを指定してバックアップ スケジュールを作成することができるようになりました。以前のバージョンではひとつ対象ボリュームにたいしてひとつの増分スケジュールと複数のフルバックアップスケジュールが設定できましたが、マルチスケジュールでは複数の増分スケジュールと複数のフルバックアップスケジュールが設定できます。ただし、複数の増分チェインが作成できるわけではないので注意してください。たとえば、以前は毎週平日の9:00-17:00に60分おき、という一つの増分スケジュールが設定できましたが、今バージョンからはそれに加えて土日は21:00に増分を作成、というような設定が可能です。この時に作成される増分ファイル、たとえば土曜の21:00、は前の金曜日に最後にバックアップした時点からの増分になります。

マルチスケジュール

マルチスケジュール

起動環境の強化

  • Windows PE ベースの起動環境を USB メモリを作成できるようになりました。
  • Linux ベースの起動環境の作成がプログラム内からできるようになりました。ISOファイル、直接起動が可能なUSB メモリの作成が可能です。
  • Windows PE ベースの起動環境で以下の操作が可能になりました。
  • uEFI 環境のシステム ボリュームのみの復元に対応しました。
  • システム ボリュームのみ復元した、Windows 7 以降の BIOS ブート システムの起動設定を修復する[BCD の作成]機能を実装しました。
  • バックアップ元とは異なるハードウェア上で復元したシステムの利用を支援する[A.I.R.]機能を、復元処理を伴わずに実行できるようになりました。
USB起動の起動環境の作成

USB起動の起動環境の作成

オンラインアップデート

インターネットに接続した環境であれば、ソフトウェアの更新があったときに自動的に通知しますので、簡単に最新版に更新できます。

オンラインアクティベーション

製品のエディションやライセンスをオンラインで管理するようになりました。ライセンスの追加、移行などが簡単に行えるようになります。

ActiveImage Protector 2016についての詳しい情報はリリースノートオンラインヘルプをご覧ください。


ImageBoot ホワイトペーパー公開

ImageBoot の活用方法を主に解説したホワイトペーパーを公開しましたのでご紹介します。

 

 ImageBoot#1

 

「ActiveImage Protector」のバックアップイメージファイルからリストアや仮想化変換をせずに、仮想マシンとして即時起動できる、「ImageBoot™(読み:イメージブート)」を無償配布しています。 

ImageBoot™は、「バックアップファイルが間違いなく復元できて、ブート可能かをもっと簡単に確認したい」、「仮想化の動作試験がしたい」、「緊急に一時的にバックアップファイルから起動したい」、という従来からのユーザーの要望に応えて、ネットジャパンが独自に開発したユーティリティで、誰でも無償でダウンロードして使用することができます。

 

 ImageBoot#2

 

ホワイトペーパーの目次をご案内します。

「2 分以内でバックアップから仮想マシンを即時起動できる無償ソフト – ImageBoot -」 

1. はじめに

2. ImageBoot™とは 仕組みについて紹介・解説

   動作環境(システム要件)

   ● ImageBoot がサポートするハイパーバイザー

   ● セットアップ可能なオペレーティングシステム

   ● 仮想ゲストマシンにアタッチして、起動させることが可能なオペレーティングシステム

3. ImageBoot™の仕組み

4. ImageBoot™の手順

5. ImageBoot™の実測値(ベンチマーク)

  ImageBoot を使用したイメージファイルからのオペレーティングシステムの起動に要した時間を計測した結果

6. ImageBoot™の活用例

   ● 事例1:ディザスターリカバリーのテスト

   ● 事例2:不具合の原因究明

   ● 事例3:仮想化のテスト

 終わりにネットジャパンについて

2 分以内でバックアップから仮想マシンを即時起動できる無償ソフト – ImageBoot –

はリンク先からダウンロードできます。

ぜひお役立てください。

 

ActiveImage Protector 3.5 SP6

ActiveImage Protector 3.5 SP6をリリースしました。

SP6での変更点の詳しい内容はリリースノートをご覧ください。

主な新機能は

  • クラウドストレージ対応の強化
  • イメージエクスプローラー機能搭載
  • タスクをWindowsイベント ログに記録

になります。

クラウドストレージ対応の強化

ActiveImageには災害時を想定して、データを遠隔地へ保存できるレプリケーション(複製)機能があります。バックアップイメージファイルを別の場所にコピーしておくことで通常の保存先が壊れても、バックアップのバックアップから復元が可能になります。コピー先としてNASやFTP,WebDAV,Amazon S3が使用できていました。SP6ではS3互換のクラウドストレージにも保存が可能になりました。ニフティクラウド、CloudianといったAmazon S3互換のクラウドストレージにレプリケーションできます。また、FTPへの転送速度も向上(当社比で3倍)しましたので、更に実用的で使い易くなりました。

イメージエクスプローラー機能搭載

ImageExplorerは、イメージファイルの閲覧をWindows エクスプローラーと統合する新機能です。Windowsのエクスプローラー上でZipファイルをダブルクリックするとZipファイルがフォルダのようにシームレスにエクスプローラーで表示されますが、それと同じようにAIPのイメージファイルをダブルクリックするとひとつのフォルダのようにWindowsエクスプローラーで表示できます。表示しているフォルダ、ファイルはドラッグアンドドロップして取り出すことができます。いままではイメージファイル内のフォルダやファイルを取り出すためには一度マウントしてからマウントしたドライブを開いて、コピーなどをおこなう必要がありました。イメージエクスプローラーからファイルをクリックしてプログラムを開く機能や変更を差分として保存する機能はまだありませんので、そういった場合は従来どおりマウントを使用してください。

タスクをWindowsイベント ログに記録

全てのタスクが Windows イベント ログに記録されるようになりました。これによりレプリケーションタスクなどバックアップ以外のタスクで発生した成功、失敗イベントを取得して適切なワークフローを実現できます。

もうひとつ、イメージフォーマット(208)に変更しました。という記述がリリースノートにあります。これは、実はvStandby Enterprise(開発中)からイメージファイルを扱えるようにするためにのアップデートです。vStandby EnterpriseはAIPのイメージを使って動くようになる予定です。

AIPは今も進化し続けています。SPの度により使いやすく、より安定した製品になっていますので、これからもご期待ください。

ActiveImage Protector Linux Edition 4.5 リリース

ActiveImage Protector Linux Edition のバージョン4.5をリリースしました。

バージョン4.5の新機能は、

  • Red Hat Enterprise Linux 7、CentOS 7 に対応。
  • XFSのスマートセクターに対応
  • タスク実行後に[システムのシャットダウン][システムの再起動]が可能
  • スナップショットドライバの改善
  • バックアップ元ホスト以外のホストで結合処理をサポート
  • AIPBEの改善

です。

Red Hat Enterprise Linux 7、CentOS 7 に対応。

RHEL7/CentOS7からはインストール時のデフォルトファイルシステムが新しく採用されたXFSになりました。また、起動時にはsystemdが採用されました。以前のAIPではXFSは解釈できず、systemdにスナップショットドライバを組み込む処理も行っていませんでした。以前のバージョンでも理屈としてはコールドバックアップでフルセクターバックアップを行えば対応できるのですが、それではわざわざAIPを使う意味はありません。今回の4.5でXFSのスマートセクター(データボリュームのみ)とsystemdへの対応を行いました。しかしながらXFSのシステムボリュームに関しては対応が間に合わなかったためスマートセクターを使うと復元してもそのままでは起動ができません。システムのバックアップはフルセクターでバックアップをしておく必要があります。

タスク実行後に[システムのシャットダウン][システムの再起動]が可能

最近ではストレージ容量もインフレが進み、それと比例してバックアップのために必要なリソースも増大してきています。バックアップ容量も必要ですし、バックアップするのにも時間がかかります。容量に関してはAIPではインラインの重複排除圧縮を行えるため容量は相当抑えることができます。時間に関してもバックアップソフトとしては高速な部類ですが、大容量であればそれに比例して時間はかかります。この機能はバックアップが終わったら自動的に電源断や再起動を行うものです。たとえば退社時に業務機をシャットダウンをしなければならないルールのところもあるのですが、業務終了後にバックアップを開始し終了まで待ってからでなければ退社できないというのもばかばかしいので、この機能を使えば、長時間かかるバックアップでも仕掛けておけば退社後にバックアップが終わり次第マシンを終了させることができます。サーバー用途ではあまり日常的に使う機能ではありませんが、たとえばメンテナンス前などにバックアップをとってから再起動をしたい場合などには、バックアップを仕掛けてその場を離れられるので便利な機能です。

スナップショットドライバの改善

スナップショットドライバ、トラッキングドライバの安定性を向上しました。スナップショットドライバは低レベルのディスクI/Oを監視して書き込みに対してスナップショット提供します。通常の使用のディスクアクセスであれば問題ないのですが、たとえばクラスタシステムの特殊なディスクデバイスや想定外の場所へのリクエストなどがあった場合の対策を行いました。

バックアップ元ホスト以外のホストで結合処理をサポートしました。

結合処理は複数の増分ファイルを一つにする機能です。スケジュールによる増分バックアップは各バックアップはサイズが小さいため高速に動作し、個々のファイルサイズも必要最小限になります。その反面、時間とともにファイル数が膨大になり管理しづらくなります。そういう場合に増分ファイルを一つにまとめる機能が結合(コンソリデーション)です。多くの場合にはそれほど細かい粒度の増分は必要ないため、1週間、1か月単位でまとめてしまうことが普通です。結合処理は増分ファイルを後から加工するのでバックアップスケジュールと密接に関係しています。そのため通常はバックアップを行うマシンと同じマシン上で行いますが、バックアップと結合は同時に同じマシンのリソースを使うことになりますので場合によっては他の業務に支障がでる可能性もあります。結合処理を行うのに他のマシンのリソースを使えればバックアップ対象マシンの負担を減らすことができます。旧バージョンでは他のホストから無理矢理結合を行うと増分バックアップとの整合性が取れなくなってしまいその後のバックアップはフルバックアップになるという挙動でした。新しいバージョン4.5からは他のホストから実行しても増分ファイルの整合性を壊さずに結合が可能になりました。

プロファイルベースのオフサイトレプリケーションを追加しました。

バックアップファイルを他の保存先にレプリケーションすることができます。ローカル フォルダー、ネットワーク共有フォルダー(CIFS)、WebDAV(HTTP/HTTPS)、FTP、SFTP、Amazon S3(要AWSCLI) をレプリケーション先として使用できます。S3に関してはAWSCLIを使用しています。Linux版はPythonで記述されていますので、環境によってはPythonのインストールが必要になる場合があります。

AIPBEの改善

緊急時に起動して使うAIPBE(起動環境)のベースを見直し、サイズを小さくしました。以前はLiveCDベースであったのでなんでもできたのですが、サイズが大きく、たとえば出先で今すぐダウンロードしたいけれどサイズの問題でできないので小さくしてほしい、などの要望がありました。今回は不要なファイルや機能を調整して200MB程度にまで抑えることができました。

AIP Linux版も4.5になり、豊富な機能が搭載されました。ようやくWindows版と比べても遜色のないレベルにきたのではないかと思います。

ActiveImage Protector 3.5 SP5 の新機能

AIP3.5のSP5をリリースしました。
今回もサービスパックというよりもメジャーバージョンアップのような盛りだくさんな機能追加を含むアップデートになりました。

SP5での新機能

  • 無償版VMware ESXiホストへのP2V(物理-から仮想)の直接変換が可能

P2V機能に新しく“ベーシックモード”を追加しました。従来の有料版ESXiホストに加え、無料ライセンスのESXiホストへもP2Vの直接変換ができ、VMDKファイルの作成が可能となりました。ローカルでVMDKを作成してからホストにアップロードするのに比べて、大幅に時間が節約でき、また利便性も高まります。

  • クラウドストレージ対応

バックアップしたイメージファイルのオフサイトレプリケーション(遠隔地データ保存)先として、セキュリティの高いSFTPとクラウドストレージ、Amazon S3を選択して保存できるようになりました。

  • ActiveImage ProtectorのIT Pro EditionのAIPBE(Windows PE 起動環境)でP2V(仮想化)をサポート

IT Pro Editionの起動環境内においても物理ハードディスクやバックアップイメージファイルからP2V(仮想化)がおこなえるようになりました。

  • リモートコンソリデーション

増分バックアップのコンソリデーションを他のPCのActiveImage Protectorから行うことができます。バックアップの実行リソースとコンソリデーションの実行リソースを分離することで、バックアップマシンにかかる負荷を分散できます。

  • オフサイトコンソリデーション

オフサイトレプリケーションした増分バックアップを他のPCのActiveImage Protectorを使ってコンソリデーションできます。遠隔地に保存したイメージファイルを遠隔地でコンソリデーションできますので、コンソリデーション済のファイルを毎回レプリケーションするよりも効率的です。

主にはイメージの操作に関しての新機能になっています。

それでは、各新機能について説明します。

無償版VMware ESXiホストへのP2V(物理-から仮想)の直接変換が可能

P2Vの直接変換機能を使うとイメージファイルやハードディスクを物理仮想変換する際に直接ESXiのデータストアに保存できます。一時的にローカルディスクに保存する必要がないため、容量的にも時間的にも便利な機能です。VMware ESXiの無償版というのは、体験期間がきれたあと制限付で使用することができる状態になったものなのですが、無償版ではvSphere APIによるアクセスが大幅に制限されているため、WindowsマシンからESXiホストのデータストアのアクセスが直接にはできません(ライセンス版や試用期間中はAPIを使用できます)。SP5では無償版でも使用できるAPIのみを組み合わせてP2Vの直接変換を可能にし、ベーシックモードとして搭載しました。ベーシックモードでは従来のP2V(SP5ではアドバンスドモードとして使用できます)とは違いP2VされたVMDKだけが作成されます。変換後はvSphere Clientで仮想マシンを作成してアタッチしてください。

クラウドストレージ対応

オフサイトレプリケーションの保存先としてAmazon S3のバケットとSFTPを選択できるようになりました。以前からWebDAVやFTPには対応していましたので、広い意味でのクラウドストレージへのレプリケーションはできているとは言えてはいましたが、今回はAWSCLIを組み合わせてS3対応を実現しています。また、SFTPにも対応したので安全な通信経路が必要な場合にも対応できます。

IT Pro EditionのAIPBE(Windows PE 起動環境)でP2V(仮想化)をサポート

ITPro Editionは一人の技術者にライセンスされメディアに保存されたAIPを直接あるいはメディア起動してつかう起動環境から使用できる無制限のライセンス製品です。起動環境は主な用途はコールドバックアップや復元になるのでP2Vの機能の使用は行えないようになっていました。今回SP5でPE上でのP2Vの動作を可能にしました。また、ITProは製品の性質上スケジュールによる増分バックアップができませんので主に増分を扱うコンソリデーションやユニファイも使用できないようになっていました。今回、別エディションで作成したイメージファイルの操作も行えるようにイメージ操作全般が可能なように変更しました。

リモート/オフサイトコンソリデーション

ファイル数が多くなりがちな増分バックアップでは、ファイルを結合して一つの増分ファイルにまとめるコンソリデーション機能が便利です。しかしながらバックアップとコンソリデーションを同じマシン上で行うため、リソースの圧迫が問題になってきていました。リモート/オフサイトコンソリデーションはバックアップを実行するマシンとは別のマシン上にインストールしたAIPを使ってコンソリデーションのタスクを分散できるように調整した機能です。

リモートコンソリデーションは、バックアップイメージの保存先に対して別のホストからコンソリデーションを行います。以前のバージョンでこの操作を行うこと自体はできましたが、必ずリコンサイルが動作するため次回の増分バックアップに時間がかかる結果になっていました。SP5からはイメージの整合性検証を見直してコンソリデーション後に矛盾がない場合にはそのまま増分を実行するようになりました。

オフサイトコンソリデーションは、レプリケーション先のイメージファイルに対してコンソリデーションを行う機能です。この場合、保存した元のバックアップイメージとレプリケーション先のイメージの整合性が問題になります。AIPではいまのところプロセス間の通信や情報の共有はサポートしていないため制約付でオフサイトコンソリデーションを許可する形になっています。オフサイトコンソリデーションを許可すると以下条件に制約されます

  • ソース(元のバックアップイメージファイル)に対してコンソリデーションを含む変更を伴うイメージ操作はできません
  • レプリケーションオプションは最新のファイルのみを対象にする

オフサイトコンソリデーション後に新しい増分ファイルがレプリケーションされると、以前のバージョンのようにファイル名は連番になりませんが問題なく復元できます。オフサイトコンソリデーションを使うことでレプリケーション先のイメージファイルを常に最少のファイル数にしておくことが可能です。

SP5へはアップデートページから行えます。


ActiveImage Protector 3.5 SP4 をリリースしました

ActiveImage Protector 3.5 SP4をリリースしました。おもな新しい機能は以下のとおりです。

  • Windows Server 2012 R2とWindows 8.1に対応
  • Windows Server 2012 R2のHyper-Vに対応
  • 無償提供されているHyper-V Serverに対応 Hyper-V Server(Server Core)のバックアップをリモートでおこない、ReZoom機能とSHR機能をHyper-V Server上で使用できるようになりました。
  • Windows 8のクライアントHyper-V ActiveImage Protector for Hyper-V Editionで提供されているReZoom機能とSHR機能をWindows 8上で使用できるようになりました。仮想マシンのLive Recovery(ライブリカバリー)をWindows 8でおこなえますので、サーバーを用意できない場合でも運用の再開が可能です。
  • ActiveImage Protector Boot Environment(AIPBE)作成ツールを更新 Windows AIKおよびWindows 8.1用ADKを使用して、Windows PEのAIPBEを作成できるようになりました。
  • AIPBEのプリブート起動 光学メディアなしでAIPBEをハードディスクから直接起動できるプリブート機能が使用できるようになりました。光学メディアドライブのないタブレットPC単体でも復元作業をおこなえます。(無償のHyper-VServer、ServerCoreは除く)
  • 仮想変換ユーティリティの更新 Hyper-Vの新しい仮想ディスク形式、VHDX形式への変換ができるようになりました。
  • ReFSの増分バックアップ 従来の製品では、ReFSのフルバックアップのみでしたが、SP4で増分バックアップにも対応しました。
  • 最新のuEFI規格のマザーボード(Surface Proなどに搭載)に対応 AIPBE(Linux起動)、プリブート機能がuEFIネイティブモードに対応しました。

詳しくはリリースノートを参照していただくとして、大きくわけると、最新のOS、特に新しいHyper-Vへの対応とActiveImage Boot Environment まわりの強化が注目してほしいところですので、解説します。

Hyper-V Server(Server Core)に対応

Hyper-V ServerはServer Coreをベースにした無償提供されているHyper-V専用のスタンドアロン製品です。2012R2のServer Coreをベースにしたものも提供されています。Hyper-V Serverは基本的にCLI、PowerShellなどで運用することが前提なのでサーバーの役割セットなどの機能はありませんが、Hyper-Vホストとしての機能は十分満たしています。ActiveImage for Hyper-V では、Hyper-V Serverへの対応として、エージェント部分のみのインストールとSHR/ReZoom機能(これはGUI版が動きます)を使えるようにしました。Hyper-V Server本体のバックアップはリモートコンソールで接続して行うことになります。SHR/ReZoomはサーバー本体で動かしますので、SHR/ReZoomのみをインストールして実行して仮想マシンの復元を行うことができます。

コマンドライン前提といっても、実際は機能の制限された2012R2(というかServer Core)上で動くHyper-Vのルートパーティションですので条件を満たしていればアプリケーションもGUIも動かせます。AIP本体のGUIについては必要ないくつかのDLLがServer Coreでは提供されていない(再配布もできないライセンスです)ため起動ができません。必要なファイルを全部揃えればきちんと起動できるようになると思います。このあたりは興味があれば試してみてください。Hyper-V ServerはHyper-Vでできる基本的なことはでき、かつ無償ですのでこれからもっと活用されてくるのではないかと思います。

Windows 8でReZoomが可能に

ReZoom機能をWindows 8 上で使用できるようにしました。

Windows 8 の上級エディションにはクライアント Hyper-Vという、Hyper-V(のサブセット)が用意されています。これを有効にすればWindows 8上で仮想マシンの作成や実行をすることができます。以前のXP modeやVirtual Server が本体を露わにしたというくらいサービスがいいような印象です。ともかく最初から仮想環境があってすぐに仮想マシンが使えるのでありがたい機能です。

ReZoom/SHRは、ActiveImage Protector for Hyper-V を使ってバックアップをし、復旧が必要な時には仮想マシンをReZoomして、というのが想定している使い方です。しかし、サーバーマシンが壊れてしまった時すぐに代替機が用意できない場合に、一時措置としてWindows 8 のHyper-V(クライアント Hyper-V)上でReZoomして稼働したい、という要望が寄せられていました。そこで、クライアントHyper-Vでも使えるようにfor Hyper-V Enterprise/SHRのReZoom機能のみをWindows 8でインストールして使用できるようにしました。また、Desktop版もWindows8でHyper-Vが有効だった場合にはReZoomを使えるように標準機能とすることにしました。しかし、多少制限があります。クライアント Hyper-Vでは、 Hyper-V VSS Writerが起動しないことが確認できており、起動状態の仮想マシンをVSSに対応して確実にバックアップをすることができません。安全のためにバックアップ時に仮想マシンを停止状態(起動状態でのバックアップ自体はでき、復元も成功しますがイメージ内の仮想マシンは強制的に電源を切った状態と同じになります)にする必要があります。少なくとも今の時点ではAIP for Hyper-Vのような全体を仮想マシンごとホットステートでバックアップということはできません。AIPではスナップショット前後でスクリプトを実行できますので、PowerShellのスクリプトでVMの状態の制御をすればある程度安全にバックアップは可能になります。

ActiveImage Protector Boot Environment (AIPBE) の強化

AIPではベアメタルリカバリやコールドバックアップのための起動環境、AIPBEを提供しています。以前は復元環境やLiveCDと呼んでいましたが、復元以外にもいろいろ使うので起動環境という名称に統一することにしました。AIPBEはLinux版(以前LiveCD版といわれていたもの)とWindows PE版があります。AIPBE(Linux)は適時アップデートをしていて、最新版をなるべく速く提供するようにしています。製品のアップデートなどで製品パッケージが更新される際には最新版のAIPBE(Linux)を同梱しています。一方のWindows PE版、AIPBE(PE)は製品に含まれる専用ツールBE Builderを使って作成します。今回のSP4でのアップデートはWindows PE版に対するものです。

Windows AIKおよびWindows 8.1用ADKを使用してAIPBE(PE)を作成

これまではWindows 7用ADKでのみ作成が可能でしたが、Windows AIKおよびWindows 8.1用ADKを使用してAIPBE(PE)を作成できるようになりました。AIPBEはそれ自体がOSを起動する、起動環境ですので本体のOSがなんであろうと関係はないので、ほとんどのハードウェアでは問題はありませんでしたが、いくつか不便な部分も出てきました。たとえば、作成できる環境を選ぶ必要があったり、サポート対象外となったOSが搭載されていた当時のマシンでハードウェアスペックが少し足りなくて起動できない、などです。今回のアップデートでAIK、ADKを幅広くサポートしましたので必要に応じたPEバージョンを使用してAIPBE(PE)を作成できます。

AIPBE

AIPBE作成ウィザード

AIPBEのプリブート起動

もう一つの大きな機能追加が、AIPBE(PE)のプリブート機能です。今までは製品メディアにしろBE Builderで作成したものにしろ、作成した光学メディアからの起動でした。仮想マシンであればiso起動もできますが、実際に起動メディアとして別途作成しておく必要がありました。

プリブート機能はBE Builder で作成したAIPBE(PE)をハードディスクから直接起動できる機能です。

プリブート機能の設定

プリブート機能の設定

実際の作業はiso化する直前までは同じですので、AIPBEに各種必要なドライバー等を組み込んだ状態で環境をセットアップできます。BE Builderで作成したプリブート環境を使用できるようにするにはAIPのコンソールで起動設定を行います。起動メニューに表示したり、次回起動時やメニューからの削除を行えます。起動設定を行うと、Windowsの起動時のブートマネージャーに登録されAIPBEから起動できるようになります。

プレブート起動設定時のブートメニュー

プリブート起動設定時のブートメニュー

光学メディアドライブのないタブレットPC単体でも復元作業をおこなえます。元々はSurfacePro 2でリカバリーをするにはどうしたらいいのかという議論が切っ掛けとなって開発された機能なのです。

ActiveImage Protector 4.0 Linux Edition リリース (1月27日より出荷開始)

ActiveImage Protector 4.0 Linux Editionを1月27日より出荷開始します。

ActiveImage Protector Linux Editionの最新版をリリースしました。ActiveImage Protectorシリーズの製品としては最初にバージョン4.0になり、Windows 版より先行してのメジャーバージョンアップになりました。実は、Linux版は3.5SPでスナップショットドライバーの変更をした際にコア部分は4.0の増分などに対応できるように更新をしていましたので、コード的には3.5SPは既に4.0の初期バージョンだったとも言えます。

4.0のバージョンアップポイントはいくつかありますが、大きな機能追加である

  • 増分バックアップ
  • GUIの実装(Windows上で動作するコンソールを含む)

の2点を解説します。

増分バックアップ

増分バックアップは、ブロックベースでの変更部分だけをバックアップします。毎日バックアップを行ってもそれほどバックアップファイルが大きくなりません。また、ActiveImage Protectorでは独自の重複排除圧縮をバックアップ時に行いますのでさらにサイズは縮小されます。3.5では差分までの対応で増分の実装は沢山の要望をいただいていましたが、ようやくリリースできました。

スケジュール設定

増分に対応したスケジュール設定

増分のトラッキング方法として、2つの方法を用意しています。少し技術的な話になりますが、一つはシステムの変更を必要せずに行えるが一部制限のある方式と完全なトラッキングを行えるがシステムに事前設定が必要な方式です。

どういうことかというと、前者は更新ブロックを保持するためのトラッキングデータをファイルシステム下で作成します。これだとユーザーはインストールして設定するだけで他には何もせずに増分バックアップが可能です。簡単なのですが一方で、ファイルシステム下にあるのでそれを外れる場合、例えば起動時やリスタート時のトラッキングの保証ができません。たとえば再起動して起動時にfsckが走ると(特別なことではないと思いますが)トラッキングできないところで更新が発生して、トラッキングデータと実ディスクのデータで不整合が発生する可能性が非常に高くなります。そのため、再起動の度に破棄する必要がでてきます。

後者は、別途デバイスとしてトラッキングデバイスを作成します。トラッキングデバイスとしてはパーティションを一つ作成します。使用するシステムや管理者のポリシーなどによっては作成する余地がなかったりパーティションの追加が許されていない場合もあります。作成自体は難しいことではありません。トラッキングデバイス方式であればカーネル起動の最初期、ファイルシステムが動作する前、からトラッキングが可能になりますので堅いシステムを構築できます。

どちらの方式を使うかは状況しだいですが、パーティションの作成が可能であれば作成は一度だけの作業ですので、トラッキングデバイスを作成するのがお勧めです。

GUI

プログレス

プログレスとグラフ表示

過去のLinux版は管理者がコマンドラインで使用する場合を想定してコマンドラインとCUIでの構成でした。しかし一方でLinux版でもGUIで操作したいという要望も継続していただいていました。バージョン4.0では、GUIを新しくデザインし直しました。コードも全て新規に書き起こしています。Linuxデスクトップ環境でのGUIだけでなく、Windows上からリモートで接続できるGUIも同時リリースが可能になり、同梱しました。

バックアップウィザード

バックアップウィザードのディスクマップ表示

GUIですので、タスクの進行やログ一覧、バックアップパフォーマンスのグラフ表示やファイルエクスプローラーなどグラフィックで表示、操作ができますので、バックアップのオペレーターにLinuxの専門的な知識がなくてもバックアップ操作やログの確認ができます。

またリモート接続も可能です。Linuxのシンプルなサーバーを普段は SSHで接続して運用していたり、仮想環境で複数のサーバーを起動している場合などに一カ所のGUIから接続先を切り替えてAIPの操作を行うことができます。今回はWindows版の同等のコンソールも同梱しましたので、普段はWindows環境で作業していたり、Windows,Linux を混在して運用している場合でも同じ端末から操作をすることができます。

今回のGUIではファイルやフォルダの選択にファイルエクスプロラーを新しく書き起しました。

リモートファイルエクスプローラー

リモートファイルエクスプローラー

このリモートファイルエクスプローラーはリモート接続時でも接続先のローカル、マウントフォルダにアクセスするだけではなく、リモート先から見えるCIFS共有にもアクセスができます。リモート側でもローカルでの操作とほとんど変わらない操作が可能です。

そのほか、uEFIやLVMの取り扱い、復元環境 ActiveImage Protector BEも新UIで使用することができます。

メジャーバージョンアップで中身は堅く、見た目はユーザーフレンドリーになりましたので、さらに詳しい内容は製品概要をご覧ください。

vmGuardian 2.0 リリースです

ESXiのバックアップ、ディザスタリカバリーを実現するvmGuardianバージョン2.0をリリースしました。 主な変更点は

  • vMotion対応
  • HA対応/クラスタ構成対応
  • UIの書き直し
  • ファイルのリストア機能の改善
  • ユーザーロールの設定
  • ESXi 5.5に対応

です。

vMotion対応

vCenterを使用していると複数のESXiホスト間でVMの移動が簡単にできます。さらにvMotionを使うとVMが実行中でもVMをESXiホスト間で移動することができます。vmGuardian 1.0はホストにフォーカスしたバックアップなのでvMotionを使うと別のホスト上の別のVMとみなされて、新規のバックアップを作成するようになっていました。実際は同じVMなので、そのまま増分バックアップを継続してくれたほうがやはりすっきりします。2.0ではバックアップ対象を仮想マシンにフォーカスするように変更しました。この変更でターゲット仮想マシンがどのホストにvMotionで移動しても追跡してバックアップを増分で継続することができます。

HA対応/クラスタ構成対応

HA対応は、つまりはESXiホストのクラスタ構成への対応です。ESXiホストをクラスタ構成してHAを有効にしている場合、ホストダウン時にはVMは他のクラスタを構成しているホストに移動します。バージョン2.0ではホストに関係なくクラスタ内の仮想マシンをリストアップしバックアップターゲットにできますので他のホストで再稼働しても追跡してバックアップを継続できます。ではFTは?という疑問が出ると思いますが、残念ながらFT構成にするとスナップショットを作成できなくなってしまうため非対応です。

UIの全面書き直し

vmGuardianはWebコンソールを採用していますので、コントロールや画面の更新はvmGuardianアプライアンス上のhttpサーバーと通信して行っています。通信して、といっても、情報の即時性、正確性を追及するなら通常のアプリケーション、たとえば弊社バックアップ製品のActiveImage Protectorのように常に接続して双方向通信を行う必要があります。しかし、Webベースだとhttpサーバーに問い合わせをして情報取得します。つまり、問い合わせをしないと情報を取得できないということなので、どの程度の頻度で問い合わせをするかでパフォーマンスが変わってきます。

1.0ではリクエストがあると、アプライアンス側で画面のレイアウトや情報なども作成し送信を行っていました。たとえば、各ウィザードの画面遷移時などでは遷移が起きる度に問い合わせをしていました。2.0では、可能な限りWebコンソール側で処理するようにソースコードから見直して、全面的に書き換え、問い合わせの回数を大幅に減らしました。これにより、Webコンソールのレスポンスが数段によくなっています。また、ログ表示や設定画面などのレイアウトも全て見直しを行い、わかりやすくなりました。

ファイルのリストア機能の改善
バックアップイメージファイル内の仮想ディスク上から指定したファイルをZIPにまとめてダウンロードできるようになりました。

ファイルのリストア機能の改善

バックアップイメージファイル内の仮想ディスク上にある必要なファイルをZIPにまとめて一括してダウンロードできるようになりました。vmGuardianではイメージファイル内の実ファイルを個別で取り出すことができます。これはイメージファイル内のボリュームをアプライアンス内にマウントし、マウントポイントを公開して実現しています。Webdavでアクセス可能なように公開しますのでWebdavクライアントを使用すると、そのままフォルダ構造ごと閲覧して取り出すことができます。Webコンソール上からは個別に指定して取り出しますが、ファイルを複数取りたい場合には繰り返し操作する必要がありました。2.0では複数のファイルを指定してZIPファイルにまとめて一回で転送することができるようになりました。

ユーザーロールの設定

ユーザー毎の権限の割り当てが可能になりました。この機能をつかうことでバックアップの計画、設定をするエンジニア、実行するユーザー、監視や管理をするユーザーなどを分けることができます。

ESXi 5.5 に対応

ESXi の最新版がバージョン5.5になりましたので対応しました。

バージョン2.0では、そのほかにも多数の不満だっだ部分、ご要望をいただいた修正が入っています。
動作も高速になり、安定性も向上しています。

ESXiのバックアップ、ディザスタリカバリーを、30日間フル機能で使用できる体験版を用意していますのでお試しください。


ActiveImage Protector SP3 リリース

ActiveImage Protector Server/Desktop Edition SP3 をリリースしました。

通常サービスパックと言った場合には過去の不具合の修正の累積をまとめて更新する、というような意味合いですが、AIPのSPは以前から修正だけに留まらず多数の新機能を追加してきています。今回のSP3でもさらに便利に使える新機能を追加しました。

SP3での主な機能強化

以下の機能強化が主な内容です。

  • 仮想変換ユーティリティ(P2V 機能)を強化し、ESXi サーバーのデータストアを保存先として指定して直接仮想ディスク ファイルに変換することが可能になりました。
  • NTFS ボリュームの縮小復元、縮小複製が可能になりました。
  • Windows PE 復元環境作成ウィザードにより、Windows ADK を使用して Windows PE 4.0 ベースの Windows PE 復元環境が作成できるようになりました。
  • 汎用の復元環境として ActiveImage Protector Boot Environment(Linux 復元環境)を同梱しました。

P2Vの強化

変換した仮想ディスクの保存先としてESXiサーバーのデータストアを直接指定できるようになりました。今までは一度ローカルディスクへ変換したディスクを保存してからESXiサーバーへアップロードを行う必要がありました。ESXiで使用する仮想ディスクはサイズが大きいためアップロードだけでも時間が相当かかっていましたが、今回の機能で変換作業全体の時間を減らすことができます。ネットジャパンはVMwareのVTAP EliteメンバーになりましたのでこうしたESXiホストへのアクセスを行うために必要なVDDKを製品にバンドルして配布できますので、こうした便利な拡張も可能になりました。

NTFS Shrink on the fly

NTFSボリュームの縮小復元、縮小複製を行える機能です。今までは、たとえば200GBのボリュームをバックアップした場合には、復元時は200GBあるいはそれよりも大きい300GB、400GBの領域に復元することができました。要するに同じ大きさかそれ以上のサイズにして復元が可能だったわけです。ということは、190GBしか領域がなかった場合には復元そのものができないということです。実際に使用している容量が20GB(200GB中20GBの使用なので180GBは空き容量となっている状態です)程度であったとしても、ボリュームのサイズとしては200GBの領域が必要になるため、領域が足りなくなるからです。SP3では、使用容量と作業用の容量(状態によって変わります)が確保できればNTFSボリュームを縮小して復元することが可能になりました。同じサイズのディスクを使っていても、型番が同じディスクを買ったはずでも、なぜか全シリンダー数が少しだけ小さいということがときどきあります。そんな時でもこの機能を使えば簡単に復元が可能です。

Windows PE 復元環境作成ウィザード

Windows PEベースの復元環境をユーザーが作成できるツールを用意しました。以前も同じ様な機能のものがありましたが、中身は違います。以前は製品メディアを起動すると、Windows PE 3.1で動作するAIPが起動してコールドバックアップ、復元をおこなえるという復元環境を提供していました。しかしながら、昨年Microsoft との契約が変更されため、ISVはWindows PE を以前のような形で配布できなくなってしまいました。今回のツールはMicrosoft が提供しているWindows ADKを使用して復元環境/ユーザーカスタマイズ環境の作成を行うことができます。このツールを使うことでSP2までのWindows PE 4.0 ベースの復元環境と同等のものが作成できます。以前のバージョンに復元メディアのカスタマイズ機能がありましたが、その時に使う参照元となる製品メディアはネットジャパンで作成していたわけですが、その作成手順をそのままツールにしたと考えてもらうとわかりやすいかと思います。

AIPBE(ActiveImage Protector Boot Environment)の提供

上で述べたようにPEの作成ツールを提供することになりましたが、やはりあらかじめ作成してあるメディアから起動してすぐに使用できる起動環境は必要でしょう。製品メディアを使う起動環境は新しくAIPBEという名前で提供することになりました。AIPBEはLinux版のActiveImageをLinux LiveCD上で動作するように構成した起動環境です。実体はAIPのLinux版と同等ですのでイメージファイルの互換性等が問題になることはなく、間違いなくバックパップ/復元を行うことができます。

その他の修正の詳細はリリースノートご覧ください。


ActiveImage Protector Linux Editionのバージョン3.5

ActiveImage Protector Linux Editionのバージョン3.5をリリースしました。

バージョン3.5での主な新機能は

  • 重複排除圧縮機能
  • スナップショットドライバの自社開発
  • GPTディスクへの対応
  • Red Hat Enterprise Linux 6.3/6.4 に対応

です。

保存先の容量を大幅に縮小できる重複排除圧縮機能

イメージングバックアップ製品では世界で初めて(注1)バックアップと同時にデータブロックの重複を排除して圧縮する機能を実装しました。一般的に重複排除機能というと別途アドオン製品が必要であったり、保存先のストレージ内に独自のノードを作成する方法や重複排除機能を実装した高価なストレージを購入するというあたりを想像すると思います。ActiveImage Protectorはバックアップを行いながら、同時にインラインでの重複排除圧縮を行います。別途ソフトウェアや重複排除機能を搭載したストレージ、特別な設定や操作も必要ありません。単に非常に圧縮率の高い圧縮方式だと考えてもらえればわかりやすいと思います。バックアップされたイメージファイルの圧縮率は劇的に高くなり、保存先の消費容量を大幅に縮小(注2)できます。

圧縮率がいくら高くなっても、圧縮時間がその恩恵をはるかに上回るほど長くなってしまうなら、とても実用的とは言えません。ActiveImageの重複排除圧縮は実用的な速度で圧縮を完了します。社内での計測結果の一例(Windows版)ですが、A社の重複排除が完了まで約2000分かかったのに対して、AIPでは108分で完了しています。また復元時間もA社は約780分でしたが、AIPでは185分でした。AIPの重複排除圧縮はインラインで行われているためこのような実用的な速度で非常に高い圧縮率を実現しています。Linux版も同じ重複排除圧縮のコードを使用していますので同様の性能になります。

 

Linuxネイティブのスナップショットドライバーを自社開発

バックアップ製品開発分野での長年のノウハウを活かした、Linux用のスナップショットドライバー(AIPSNAP)を自社開発し今回から組み込みました。これにより、Linux上でもさらに安全で堅牢なバックアップがおこなえます。以前のバージョンは3rdパーティ製のスナップショットドライバを使用していました。ここで敢えて自社開発に踏み切ったのは、お使いの方ならご存知でだと思いますが、Linuxではカーネルバージョンが変わるたびにスナップショットドライバも更新する必要があります。このバージョンアップやトラブル対応の時に、スナップショットというコア部分がブラックボックスであったり、他にも制約があると迅速な対応ができず、結局しわ寄せがユーザーに行ってしまう―という事態を改善したかったためです。自社開発であれば、当然ソースコードも含めてなにもかもが手元にありますので個別対応も機能改善も容易(もちろん技術的には容易ではないことのほうが多いのですが…)に取り掛かることができます。

GPT(GUIDパーティションテーブル)のサポート

GPTディスクのバックアップリストアに対応しました。2TBを超える大容量ディスクのバックアップが可能になりました。2TBを超えるボリュームのバックアップを行う場合にはext4を扱える必要があります。スナップショットの退避領域も2TBを超える可能性があるためです。

今回の3.5の新機能は本来は次バージョン4.0から導入予定であったものですが、前のバージョン(3.1)をリリースしてから時間が経っていることもあり、先に要望が多かった機能を実装して3.5としてリリースした形になっています。

(注1)当社調べ
(注2)当社の検証結果では標準的なデータの場合、元サイズから約50%程度に容量を縮小できます。